2025年7月14日(月)ユニコムプラザさがみはら(相模原市南区)にて,当協会と株式会社大塚製薬工場の共催により,第18回神奈川県慢性期医療協会講演会が行われた.今回は,「慢性期病院における直接(緊急)入院」という地域医療連携における重要な課題について,各施設の経験を共有する場として議論が行われた.なお,当日は90名近くの参加があり,盛況のうちに終えることができた.
開会の挨拶は,小松幹一郎副会長(小松会病院名誉院長)が務め,一般演題では,3施設から直接入院の実際と課題に関する報告が行われた.藤原秀臣氏(平成横浜病院内科)は,地域包括医療病棟を活用した直接入院の事例を紹介し,地域との連携の重要性について述べた.また,伊勢正輝(鶴巻温泉病院地域連携室)は,「顔の見える連携」をテーマに高齢者医療への取り組みを説明した.さらに,小松誠一郎氏(小松会病院院長)は,急性期病院からのミスマッチ退院や老人ホームの紹介事業などの事例を踏まえて,高齢者と地域医療の多様なニーズに応える療養型病院の重要性を提案した.
特別講演では,水上潤哉氏(医療法人社団はやぶさ理事長)が「命の出口,栄養を支える場所として~訪問診療医が頼りにしている療養型病院~」という講演テーマで訪問診療医からの視点により療養型病院の役割について述べ,「在宅が限界=早急な入院を要する状態」であり、出来れば当日にでも入院させたい状態であることや、病診連携の強化に向けた地域共通の連携ツール活用などを提案いただいた.
講演終了後の情報交歓会では,参加者同士が自由に意見交換を行うことで,講演内容の理解を深めると同時に,今後の連携の方向性を探る場となった.地域医療の現状と未来について深い洞察を得る有意義な時間となり,講演会は成功裏に幕を閉じた.
医療法人社団 三喜会 理事長 鶴巻温泉病院 院長 鈴木龍太(神奈川県慢性期医療協会会長)
医療法人社団 三喜会 鶴巻温泉病院 伊勢正輝(事務局)
【集合写真】
【会場の様子】