2024年6月28日(金)ユニコムプラザさがみはら(相模原市)にて,当協会とニュートリー株式会社の共催により,第17回となる神奈川県慢性期医療協会講演会を実施した. 程塚明副会長(平成横浜病院・院長)の開会挨拶から始まり,特別講演では「患者経験価値(PX)と対話的コミュニケーション~病院で役立つコーチングスキル~」と題して医療法人社団三喜会 鶴巻温泉病院 副院長の出江紳一氏にご講演を頂いた.
出江氏からは,①コーチングは患者さん・家族の主体的な行動を促進して医療目標の達成を支援すると考えられる.②コーチングは医療組織の活性化と患者安全にも寄与する可能性があるが,機能するための仕組みを用意することが大切である.③PXは患者中心性を具現化する概念であり,医療の質全体と関係する.④対話的コミュニケーション(職員間,職員と患者)は,PXに直接的に影響するだけでなく,患者中心医療における課題の解決策の立案・実践の鍵である.⑤慢性期医療の存在意義を再定義し持続可能な病院に向けた鶴巻温泉病院コーチングプロジェクトがスタートする.以上についてのお話を頂いた.
講演の最後にあった.「慢性期病院は急性期病院の“後方”ではなく,未来の生活再建に向かう“前方”病院であり,高難度医療を担う」という言葉が印象的であった.
また講演会終了後には情報交換会の場を設けた,出江氏も交えて,参加者とざっくばらんに意見交換ができる場となった.閉会挨拶は小松幹一郎副会長(小松会病院・名誉院長)より,次回の幹事病院としての意気込みが語られたほか,当協会が設立して10年が経過したことに触れられ,会員・賛助会員の皆様の支援とご協力に感謝を申し上げられ,盛況のうちに終了した.
※PX:ペイシェント・エクスペリエンスとは患者一人ひとりに最適な医療サービスを提供することで,患者中心の医療を実現するイギリス発祥の考え方です.日本語では「患者経験価値」と訳されており,「患者が医療サービスを受ける中で経験するすべての事象」と定義づけられています.
医療法人社団 三喜会 理事長 鶴巻温泉病院 院長 鈴木龍太(神奈川県慢性期医療協会会長)
医療法人社団 三喜会 鶴巻温泉病院 伊勢正輝(事務局)
【集合写真】
【講師 出江紳一氏】